あっさり豚バラ大根 ― 2020年02月09日 12:36
本日の日替わり料理は、以下の2品を紹介します。
あっさり豚バラ大根 230円
キャベツときゅうりの香味漬け 230円
みょうがと大葉の香味が効いた、さっぱりとした自家製お漬物です。
え~
お客さんのMKさんがオススメしてくれたので観たのですが、
これはスリラー映画とカテゴライズされていますけど、実際は社会派ドラマな映画です。しかも実話がベースになっています。
『ウインド・リバー』(2017年)
物語の舞台は、アメリカ各地に点在するネイティブ・アメリカン(インディアン)居留地のひとつであるウインド・リバー居留地。
緑がネイティブ・アメリカン居留地で、
赤丸がウインド・リバー居留地。
ネイティブ・アメリカン居留地というのは、先住民であるネィティブが住んでいた土地をあとから移住してきた白人が取り上げ、代わりにここに住みなさいと指定した土地のことです。
あちこちに点在していますが、どこも僻地ばかりです。見てのとおり、海岸沿いの主要都市の近くにはありません。
この映画の舞台であるウインド・リバー居留地は、ロッキー山脈の隣に位置する、冬はマイナス30度になる極寒の辺境地。
その雪山たる極寒の冬に、18歳のナタリーという女性の凍死体が発見されます。ナタリーは極寒であるにもかかわらず、薄着かつ裸足で、血だらけになっていました。しかも、現場から5キロ圏内には民家などなく、足跡からナタリーは自分でそこまで歩いて生き絶えた様子でした。
不可解な死に方です。殺人事件なのか事故なのかを判別するために、新米のFBI捜査官であるジェーンが派遣されます。
ナタリーの遺体を発見したハンターのコリー(上)と、
新米FBI捜査官のジェーン(下)。
遺体を検死した結果は、直接の死因は肺が凍って破裂したことによる肺出血死。
ただ、ナタリーは複数人から暴行を受けていたことが判明しました。
ということは、暴行後に着の身着のままで逃げ出したものの・・・というのが推測できます。
というのに、検死官は「肺出血による死亡で、他殺と確定することはできない」の一点張りです。
このネィティブの居留地というのは特殊な地域で、事件だと認定されなければFBIも関与できなくなっており、その場合はネイティブの居留地に配備されたわずか数人しかいない形ばかりのネイティブたちの部族警察で、事件を解決するように規定されているのです。
・・・と、
つまり、これがこの映画の肝なのです。
①白人たちはネィティブを偏狭の居留地に追いやってきた。
②若いネィティブは、居留地には夢や希望がないので、居留地を去り、都会に出て帰っては来ない。
③居留地に残っているネィティブは、夢や希望もなく貧困と退廃のなか、アルコールやドラッグに依存する人が多くなり、犯罪が多発する。
④そういう居留地の現状を、政府はあまり公(おおやけ)にしようとせず、できるかぎり居留地内のネイティブ同士の事件にも関与したくはない。だからこそ、この映画でも、右も左もわからない新米の女性FBI捜査官を派遣したわけです。
⑤ですので、居留地内での出来事はほとんど事件として扱われず、数多くの事件が発生しているにもかかわらず、死亡者数も行方不明者数も調査・発表されていない。
⑥ということは、ほぼほぼ居留地は警察組織がないも同然なので、悪事が横行するという悪循環になる。
警察がないから悪事を働くという人間は、もちろん非難されるべき人間です。ですが、元凶は①なのです。もっとネイティブに敬意を払った政策を取っていれば、現状のような負の連鎖にはならなかったからです。
この映画を監督したテイラー・シェリダンは、
「この作品は成功しようが失敗しようが、作らなければならなかった映画だ」
と語っています。
アメリカ人は自分たちの繁栄の陰で、歴史上・・・ではなく、いま現在もこうしてネィティブたちを犠牲にしていることを伝えなければいけないと、監督は思ったのでしょう。
さて、
映画では、複数に暴行された挙句に極寒のなかを徒歩で5キロも歩いた末に行き倒れたナタリーの無念を晴らすべく、新米FBI捜査官のジェーンが頼りないながらも奮闘し、そんなジェーンにコリーが手を貸します。
ナタリーの死の真相と、その結末を観たとき、アナタは何を感じ、何を思うでしょう。ぜひご覧ください(*´ー`)