小松菜と油揚げのおかか和え ― 2020年11月16日 15:26
本日の日替わり料理は、ゆず香る・・・
小松菜と油揚げのおかか和え 230円
人気のこれ↓もあります。
春菊と長ネギのチヂミ 1切れ 150円
2切れ 280円
昨日紹介したこれ↓も今日もやってます。
特製マカロニサラダ 250円
『サクシネマ』です。お客さんのHちゃんがこのDVDを貸してくれました。
『少年H』(2012年)
舞台美術家であり作家である妹尾河童さんの自伝的小説の映画化です。
これ、本も読んだし、テレビドラマとして放送されたときも観ていたのですが、映画版は観てなかったので、新たな気持ちで観ました。
Hというセーターを着ていたことからあだ名が《H》な妹尾肇。
つねに温厚な父の盛夫(水谷豊さん)は
神戸で洋服の仕立て屋をやっています。
洋服の仕立て屋なので、当時としてはお客さんは駐日外国人が主であり、母の敏子、妹の好子の家族4人はクリスチャンで、毎週教会に通っており、とくに母の敏子は熱心にキリスト教を信奉していました。
肇が国民学校5年生のときに、太平洋戦争が開戦します。すると、外国人と付き合いのあった盛夫はスパイの容疑をかけられ、
仕事柄大事な指に拷問を受けます(+д+)
肇は中学生になると学校で軍事訓練をを受け、妹の好子は学童疎開します。泣いて嫌がる好子を説得して、親戚の住む田舎へと送り出しました。
日本が負けるはずがない。
皆はそう信じて(信じこまされて)いましたが、肇はそうは思えませんでした。アメリカ人のお客さんと接していたので、他の人よりも国力の違いがわかっていたのです。
それを口にすれば、非国民だとなじられ、殴られ、蔑まれます。軍国主義一色に染まっていた当時の日本・・・。
終戦の年の3月。神戸は大空襲に見舞われます。
焼け野原となった神戸。
焼け跡から焼けたミシンを見つけ出す盛夫。
幸いにも家族は全員無事で、8月の終戦を迎えると妹の好子も戻って来ました。
仮説の住宅で、食べ物がない生活だというのに、困っている人がいればなけなしの米を分け与える敏子への苛立ちや、あれだけ軍国主義だった人々が、手のひらを返したかのように急に民主主義を口にしていることへの矛盾に納得がいかない肇は・・・
線路に寝て自殺を試みようとします(lll ̄□ ̄)
さて、肇は、妹尾一家はどうなっていくのでしょう・・・。
これは国の軍国主義に洗脳されなかった家族の目から見た戦前・戦中・戦後の物語です。
たまたまこの映画を観たあと、新聞でこの肇と同世代の人の戦争体験の記事を目にしました。
卵1個を5人家族で分けて食べたこと。
日本は神の国だから絶対に負けないと物心をついたころからずっと教わってきて、そうに違いないと信じて疑わなかったこと。
空襲で身近な人の死を目前で見たことのつらさ。
終戦の日、大人たちが泣いているそばで、まだ日本の敗北を受け入れられず、あれだけ日本は負けないと大人たちが言っていたことはいったい何だったのだろうと、気持ちの整理がつかなかったこと。
日本の敗戦を受け入れるのに、2,3年もかかったこと。
戦中よりも、戦後の方が食べるものがなくてひもじい思いをしたこと。
そして、日本は負けないと盲信させられてきた人々が、それが嘘だったと気づかされ、食べ物もないとなると、誰もがギスギスとした心持ちになっていったこと。
そのようなことが書いてあり、それはそっくりそのまま『少年H』の内容と酷似していて、ぼくは思わず鳥肌が立ってしまいました。
狂気の沙汰。
それはまさに戦争のことです。
だというのに、人類の歴史は戦争の歴史と言ってもいいぐらい、有史以来地球上のどこかで戦争は起こっており、決してなくなることはありません。
小説、テレビドラマ、映画、舞台etc・・・と、実際の戦争をテーマにした作品は枚挙にいとまがなく、それを観ることで、誰もが戦争の空虚さを思い知るはずです。
そういう意味でも、定期的に戦争映画を観るのは有益だと思います。ですので、戦争の物語は、観ると悲しくなるというつらさはありますが、これからも観ていこうと思っています。
卵をひとりで何個でも食べられるいまは、
本当にしあわせなことですよね(*´ー`)