新玉ねぎのオニオンスライス ― 2024年03月14日 10:08
本日の日替わり料理は・・・

新玉ねぎのオニオンスライス 230円

ネギ塩砂肝 330円

あぶら揚げのハム大葉チーズはさみ焼き 250円

塩焼きそば 550円

ニラ納豆ユッケ風 330円

長いものホクホクバター醤油焼き 330円

新じゃがの塩昆布バター焼き 330円

舞茸のカリカリチーズ焼き 280円

シャウエッセンチーズオーブン焼き 320円

上:汁なし担々麵 500円
下: 〃 肉のせ 780円

ここからは『サクシネマ』です。
今回の『サクシネマ』はちょっと熱く語らせてください。久々に心ふるえる映画を観たんで。西新井の映画館で観ました。

『52ヘルツのクジラたち』
この映画は成島出監督作品で、成島監督作品と言えば、ぼくが日本映画で1番好きで、毎年必ず観返している・・・

『八日目の蝉』(2011年)の監督です。
《52ヘルツのクジラ》とは、クジラの仲間で52ヘルツの声で鳴くクジラがいて、そのクジラの声は高すぎて他のクジラには聞き取れず、広い海でずっと孤独だというのです。
ですので『52ヘルツのクジラたち』というタイトルは、孤独を感じている人々を示唆していて、この物語の根底にはそれぞれの孤独や悲しみがあることが想像できました。
そして『八日目の蝉』とは、蝉は地中から出て1週間で死んでしまう(と言われている)ので、八日目まで生きてしまった蝉は、仲間はだれもそこにはいなくなっていて孤独で寂しいだろうということで、つまりは悲しい境遇の自分を八日目の蝉に例えているわけです。
ということで、『52ヘルツのクジラたち』は『八日目の蝉』と似たテイストを予感させ、果たしてそのとおりでした。そしてぼくは、とめどなく涙してしまいました(TдT)
前置きが長くなりました。あらすじを簡単に。

《家族に虐待された過去を持つ主人公(杉咲花さん)が、かつての自分と同じ環境にいる少年との交流を描く》

貴湖(杉咲花さん)は、虐待されて学校にも行かせてもらっていない少年を保護します。少年の体には無数の傷があり、それはかつての自分のそのものだったからです。

少年の母親(西野七瀬さん)に直接会うと、逆ギレされてしまいます。このクズ親役の西野七瀬さんを、年間100本は映画館で映画を観るお客さんのSさんが絶賛していました。
貴湖は当面少年を自分の家に住ませることにします。警察や役所に通報したところで、少年は母親の元に帰されてしまうし、そうすればさらに激しく虐待されることは、自身の経験から熟知していたからです。

かつて学校にも行かせてもらえず、1日中病気の父親の介護と家事を押し付けられていた生活から救ってくれたのは、同級生の美晴(小野花梨さん)と、美晴の職場の先輩の安吾(志尊淳さん)でした。

とくに安吾は、貴湖にいつでも寄り添ってくれました。貴湖はそんな安吾を愛するようになりますが、安吾は貴湖を恋人として見ることはなく、ただ「君のしあわせを心から祈り続けている」と答えるばかり・・・。

安吾との恋愛をあきらめた貴湖に、新名(宮沢氷魚さん)という恋人ができますが、新名は貴湖から何度も聞かされていた安吾を、嫉妬からあからさまに敵視します。

新名は貴湖をしあわせにしてくれる存在ではないと直感した安吾は、「彼はダメだ。別れた方がいい」と貴湖を抱きしめて言うのですが、安吾のその声はもう貴湖には届きませんでした。
地獄から救ってくれた人の声に耳を傾けられなくなった貴湖。安吾には安吾の事情と悲しみがあり、ふたりの気持ちを想像すると、胸が苦しくてたまらなかったです。
貴湖、安吾、そして虐待されている少年、それぞれの《52ヘルツのクジラ》の行く末がどこに至るのか、ぜひ映画館に足を運んでほしいです。
ぼくはSさんには遠く及ばない、年間20数本を映画館で観ます。今年は『ゴジラ-1.0』『正欲』『夜明けのすべて』とこの映画で4本目です。これからラッシュで毎週のように映画館に行く予定ですが、いまのところこの『52ヘルツのクジラたち』がダントツで1番ですし、2024年の日本アカデミー賞の最優秀主演女優賞は杉咲花さんで決まりかなとさえ思っていますし、作品賞、監督賞も、これでいいのではないかとさえ思っています。
あと、特筆したいのが・・・

安吾の母親役の余貴美子さんの演技です。素晴らしすぎて鳥肌が立ちました。今回は成島監督の友情出演的な感じで、出番は少ないですが、作品に圧倒的な深みを加えてくれてました。
この映画を観たあと、映画館からすぐ近くの『堀田湯』という銭湯でサ活したのですが、サウナ中も映画でのそれぞれの孤独・悲しみが思い返されて、汗にまじって涙もひそかに流していたサクサクマスターなのでありました(ノдヽ)