アスパラのおひたし2025年06月07日 14:43


本日の日替わり料理は・・・


岩手県産アスパラのおひたし 280円


あんかけニラ焼きそば 680円


にんにく塩ピーマン 180円


月見ニラ納豆 330円


トマト酸辣湯麺 680円


(手前)納豆餃子(奥)キムチ餃子 350円

↑納豆餃子の具↓キムチ餃子の具


トマト酸辣湯麺 680円


舞茸と新玉ねぎのカリカリチーズ焼き 280円


きゅうりの浅漬けサクサク風 230円


お酒のお供に♪納豆焼きそば(↑塩昆布 or 四川風↓) 500円


長いものホクホクバター醤油焼き 330円


納豆と長いものカリふわお焼き 280円



ここからは『サクシネマ』です。

すごく小さな規模で公開された映画です。観たことない人がほとんどかと。地味な内容ですが、リアリティがあっておもしろかったです。


『わたしの見ている世界が全て 』(2023年)


このタイトル、なんか傲慢な匂いがするでしょ。ま、そういうことなんです。


遥風は6年ぶりに田舎の実家に戻ります。母の訃報を受けたからです。


仕事は心理ケアのオンラインサービスの会社で働いていました。社長といっしょにベンチャーで立ち上げて、会社も大きくしていったのですが、仕事のできない人間への指導が厳しすぎて(それは正論ではあったのですが)・・・


「パワハラで訴えられそうだ。それに、こういうことは初めてではないんだ。お前の言わんとすることはわかるが、もうそういう時代じゃない」


そう釘を刺されても遥風は納得がいかないので、自分の信念を曲げるつもりはありません。

「だって、そういうふうにふたりでがんばって、ここまで会社を大きくしてきたんじゃありませんか。できない人間は切り捨てる、必死でがんばる人間だけ残ればいい。社長だって、そう言ってたでしょ!」

遥風は声を荒げます。


暗に退職を促され、プライドの高い遥風は退職して自分で会社を立ち上げる道を選びます。幸い、自分の信念に賛同してくれている有能な部下もいました。彼を引き連れて新しい会社でがんばろう。遥風に迷いはありませんでした。


そういうことで、退職して会社を立ち上げる準備をしていたところでの訃報なのでした。ですので、遥風は目下のところ無職で6年ぶりに帰省しているのでした。


左から・・・


長兄は実家の経営難のうどん屋を継いでいて、農家の娘と交際中ですが、うどん屋をつづけるか、結婚して農家を継ぐか、それともそのふたつを兼業できるかで逡巡しています。


遥風の右の弟は、ニートでもう4年も引きこもっています。


右端の姉は、結婚に失敗した出戻りで、長兄と店を切り盛りしています。


6年ぶりに帰省した遥風は、儲かっていないうどん屋をたたんで、家を売ってそのお金を分け合うことを提案します。そのお金を起業の資金にしたいのです。それに、このままこの流行らないうどん屋をつづけていてもいい未来がないのは明白だからです。


兄に、その農家の娘と結婚して農家になった方がいいと言い、実際に兄が交際中の相手にも会って、「兄はだれかに強く背中を押されないと動けない人だから」と言います。


姉には復縁を促します。元の夫もそれを望んでいました。遥風は姉にそうした方がいいと言います。


弟にはニートで甘えている現状を激しく非難します。なんかできることを考えてる最中だとか言う前に、とりあえずアルバイトでもすればいいだろうと罵ります。で、その弟が自己啓発セミナーみたいなものを受けようとしているのを知ると、「そういうの、たいがい詐欺だからね」と釘を刺し、実際にそれは詐欺まがいなのでした。


遥風に言わされば、私は都会の冷たい風にさらされながら歯を食いしばって結果を残してきたの、あなたたちみたいに田舎でずるずるとどっちつかずのまま、なんとなく現状に甘んじている人たちとは違うのよ、現実がわかっていない人は黙って言うことを聞きなさい、なのでした。


遥風の言うことは正論だし、口論になると兄姉弟は遥風に論破されてしまいます。ですが、遥風の言うとおりにしたくはないのでした。言っていることは正しいように思えても・・・。


「姉ちゃんが帰ってくるまでは、俺たち3人でそれなりになんとかやってたんだよ!」


ニートの弟がキレます。だとしても遥風は、

「ニートが何を言ってんのよ」

鼻で笑うのでした。

「姉ちゃんだって、いま無職だろうが!」

「私はいま起業に向けて動いている最中なのよ。あんたといっしょにしないでくれる!」


こういうやりとりを見ていて、すごく腑に落ちることがありました。それはいくら正論を述べようと、人は理屈では動かないということです。人は気持ちで動くのです。相手に好感が持てなければ、その人の言うことなど素直に聞くことはできないのです。それがどんなに正論で、正解だったとしても・・・。


そして、もうひとつ。物事はある程度あいまいさを残したまま進めた方がストレスなくやれるということです。これは間違っている、こうしないとダメだ、YES、NO、〇、✕で物事をすべて分けようとすると、ひどく疲れるし、人生が楽しくないのです。


この家族で言うと、儲からないうどん屋はやめた方がいい、兄は結婚して農家になった方がいい、姉は元夫とやり直した方がいまよりはマシだ、弟はニートは今すぐやめてとりあえず働くクセをつけた方がいい・・・。遥風の言うそれらは正解のようではあるものの、そこにそれぞれの気持ちへの配慮はないのでした。


いろいろぬるいことばかり言ってるから、食っていけるのがやっとでいつ潰れるかわからない親が遺したうどん屋にしがみついて、そこから離れられないんじゃない! もっと必死に生きないとだめなんじゃないの!


遥風は自身の考え方・信念が最善だと思って疑いません。『わたしの見ている世界が全て 』なのです。


そんな遥風に不協和音が鳴り響きます。いっしょに会社を起業するはずの有能な部下と連絡が取れなくなるのです(lll ̄□ ̄)


さて、遥風の起業と、兄姉弟のこのあとはどうなるのか。興味を覚えた人は、ぜひご覧ください(^-^)