チャプチェ(韓国風春雨炒め) ― 2020年04月19日 14:48
《三密》ではなく《閑散》な状態ですが、お店は営業しております。
テイクアウトもAM11時半~やっています。
「お店だいじょうぶですか?」
と、経営を心配して寄ってくださるお客様がいます。ありがとうございます。がんばります!
ですので、
お店を維持するためにも、いつもどおりにやっております。いつもどおりと申しましても・・・

除菌は普段の何倍も念入りにしています(^_-)-☆
で、いつもどおりに日替わり料理の紹介なのですが、本日は・・・

チャプチェ(韓国風春雨炒め) 550円

なすピーマン焼き 230円

なめことしめじのお味噌汁 小230円
中280円
などなどをご用意しておりますので~\(^o^)/
ここからは『サクシネマ』です。
劇的な何かが起こるわけでもないのに、味わい深いリアリズムがある、是枝監督の《是枝らしさ》が詰まった映画です。

『海よりもまだ深く』(2016年)
良多(阿部寛さん)と響子(真木よう子さん)は、元夫婦です。
離婚した理由は、良多が非現実的な夢を追い求めているうえに、ギャンブル好きだし、不真面目だしで、ま、離婚されるのもやむなしの人間だからです。
良多のいまの楽しみはというと、月に一度だけ息子の真悟と会えることですが、養育費をきちんと支払わない(支払えない)ために、響子からは、
「もう真悟と会わせないから」
と、毎回のように言われている有様。
良多はというと、どんなに厳しく言われても、まだ響子に未練があり、できればまた親子3人いっしょに暮したいと願っています。
なのですが、
ちょっと金が入れば、それをすぐさま養育費に回さず、もっと大きくしてやろうとばかりにギャンブルに注ぎ込むし(そしてそれは当然なくなってしまいます)、
その結果、
いい歳をして、職場の後輩や、姉の千奈津(小林聡美さん)や、母の淑子(樹木希林さん)にお金の無心をしているという情けない現状なのです。
それに、
もしも良多が改心していたとしても、響子の良多への想いは冷め切っていますし、響子はただいま高収入の男性と交際中なのでした。
物語のクライマックスに、そんな元家族が、台風接近のために、淑子が住む団地でいっしょに一晩を明かすことになるのですが・・・。
台風の夜、
淑子は響子と話していて、突然に・・・

「あなたたち、もうほんとにダメなの?」
もう離婚してしまっているのに、そう訊きます。
「こう言ってはなんですけど、良多さん、家庭を持つのに向いてないと思います」
響子の気持ちが揺らぐことがないのを知った淑子は・・・

「どうしてこんなことになっちゃったのかしらねぇ・・・」
と涙し、すぐに、
「ごめんなさい。終わり終わり。この話はもうこれでおしまい」
慌てて笑顔を作ります。
『海よりもまだ深く』
この映画のタイトルは、劇中でテレビから流れるテレサ・テンの『別れの予感』の歌詞の一部であり、子を想う親の愛である・・・ように思います。

シャツにはねたカレーうどんの汁を拭いてやる淑子。
子がいい歳の大人になっても、親にしてみれば
いつまでも《子供》なんですよね(*´ー`)
良多はというと、すべてが自業自得であるにもかかわらず、
「こんなはずじゃなかったんだけどなぁ・・・」
と、まるで他力によってこうなってしまったがごとくつぶやきます。
仲を悪くしたまま永別した父親のこと。
思うように行かない仕事のこと。
元に戻れない妻子のこと。
母をずっと団地住まいにさせてしまっていること(母は団地から出たがっていました)。
良多には、その何もかもが《こんなはずじゃなかった》のです。
冒頭で書いたように、この映画は劇的な何かが起こるわけではありません。ですので、つまらないと感じる人も多いかもしれません。でもぼくは、なんだかしみじみしたのです。人生って大多数の人が多少なりとも、
どうしてこんなことになっちゃったんだろう・・・とか、
こんなはずじゃなかったのに・・・という思いを抱えながら歩んでいると思うからです。
興味ある人はご覧になって欲しいのですが、
こんなはずじゃなかったと言えば、
チーズインのかわいい顔型のパンを焼くはずだったのに・・・

どうしてこんなことに・・・(*´艸`*)