長いものチーズオーブン焼き ― 2024年03月20日 12:52
本日の日替わり料理は・・・
長いものチーズオーブン焼き 350円
シャウエッセンチーズオーブン焼き 320円
アスパラシャウエッセン炒め 320円
ニラ納豆ユッケ風 330円
新玉ねぎのオニオンスライス 230円
ネギ塩砂肝 330円
あぶら揚げのハム大葉チーズはさみ焼き 250円
長いものホクホクバター醤油焼き 330円
新じゃがの塩昆布バター焼き 330円
舞茸のカリカリチーズ焼き 280円
上:汁なし担々麵 500円
下: 〃 肉のせ 780円
ここからは『サクシネマ』です。
2023年のカンヌ国際映画祭で主演の役所広司さんが主演男優賞を受賞、そして今期の日本アカデミー賞でも最優秀主演男優賞を受賞した日独合作映画『PERFECT DAYS』。昨日、大森の映画館で観て来ました。監督はかの名匠ヴィム・ヴェンダースです。
『PERFECT DAYS』
《こんなふうに生きていけたなら》
この映画は、渋谷区内の公衆トイレ刷新プロジェクトのPRを依頼された監督が、だったらちょっとアイデアがあるんだけど・・・という流れで、この映画ができたそうです。役所広司さんは主演の他に、この映画のエグゼクティブ・プロデューサーも兼ねています。
主人公の平山(役所広司さん)は、渋谷区内にいくつかあるオシャレ公衆トイレの清掃員です。
いい歳をしているのに、風呂もないオンボロアパートに住む平山には、確固たるルーティンがあります。
早朝に目覚めると、育てている鉢植えの木に水を吹きかけ、清掃員の青いツナギを着、
清掃用具が満載された軽ワゴン車に乗って家を出ます。
車に乗る前には、アパートの前の自販機で缶コーヒーを買い、洋邦の古いカセットテープをその日の気分でセットして、何か所か回るトイレに向けて車を出すのでした。
平山の仕事はとにかく丁寧で、他のどの清掃員よりもきっちりと仕事をします。そして終わって車を家に置くと、いつもの安酒場でかるく1杯やったり・・・
行きつけの古本屋で、1冊100円の古本を買ったり・・・
顔なじみのママさん(石川さゆりさん)がいる小さな居酒屋に寄ることもあります。
風呂は近くの銭湯です。
家に帰ると、買った本を読みつつ、明日に備えて早目に就寝する、それが平山の毎日変わらぬルーティンでした。晴耕雨読のような清貧な暮らし。それこそが『PERFECT DAYS』を意味しているようなのですが、それを押し付ける描写はいっさいありません。
というか、この平山の日常を淡々と描いているだけで、いつもにはないちょっとした出来事も、それが何かの伏線でもなければ、その結末を見せるでもありません。
いつもにはないイレギュラーな出来事としては・・・
仕事仲間のタカシ(柄本時生さん)が、狙っているお店の女の子を連れて来たり・・・
その女の子はタカシに気がないふうなのに、別日にひとりで平山の前に現れては・・・
「またカセットの曲を聴かせてくれない♪」と、平山の車に乗ってきたり・・・
小さな頃に会ったっきりの姪が、家出をしてきて泊めることになったりします。
姪がトイレ清掃にも付き合わせてと言うので、いっしょにトイレ清掃をしたあと、平山は自身のルーティンのひとつの場所に姪を連れて行きます。
それは近所の公園で、平山はここで木漏れ日を眺め、それを写真に収めることを、数少ない趣味のひとつにしているのでした。
特段代わり映えしない清貧な毎日の暮らしと、時折訪れるいつもとは違う些細な出来事に一喜一憂する、この映画はただそれだけの映画で、良くも悪くもそれ以上でもそれ以下でもありません。ですので、人によっては退屈な映画に思えるかもしれません。でもぼくは、もうちょっと平山さんの日常を見ていたい気持ちになりました。連ドラで10回ぐらいな感じで。
それは役所広司さんの演技力の賜物に他なりません。すごい演技でした。普通そうで、じゃあ真似できるかというと、絶対にできないような。
映画を観終え、ビールと夕飯を終えて我が最寄り駅・新田に到着すると、駅前で映画好きのSさんの姿を見つけました。話すと、Sさんもさっき流山の映画館で、この映画を観て来たと言います。じゃあとばかりに、サクサクママと3人で家飲みしながら映画談義をしました。人によってそれぞれ感じ入った箇所も、解釈も違います。そういうことを話し合える人がいるのはしあわせです。いつもの清貧な日々に、そういった小さなしあわせがあること、それこそが『PERFECT DAYS』なのだと思います。
ね、そう思いませんか、Sさん(●^o^●)