キャベツときゅうりの香味漬け ― 2020年03月28日 12:34
本日の日替わり料理は・・・
キャベツときゅうりの香味漬け 230円
みょうがと大葉の香味が効いた、さっぱりとした自家製お漬物です。
ここからは『サクシネマ』です。
これは同性愛がテーマの映画です。
『ブロークバック・マウンテン』(2005年)
同性愛がテーマの映画って、偏見とかじゃないんですけど、なんとなく観たい気持ちにならないというか、共感できないだろうな、っていう先入観があるんですよね。
でも、この映画は名作と言われているし、主役のふたりはかなりの演技派なので、ちょっと観ることにしたんです。そしたら良かったんです(*´ー`)
まず、あらすじを。
1963年。自然が豊かなアメリカ西部に位置するワイオミングのブロークバック・マウンテンに、夏の間だけ羊を山で放牧させる季節労働者としてめぐりあったイニス(ヒース・レンジャー)とジャック(ジェイク・ギレンホール)。
ブロークバック・マウンテンの山々。
羊を放牧するふたり。
左がイニス。右がジャック。
夏の間中、ふたりで羊の面倒を見ながら、テントで暮らし、焚き火をしては簡素な食事と酒を楽しむ・・・を繰り返していたら、
最初は見知らぬふたりだったのだけれど、そのうち打ち解け、友情が芽生え、その友情が友情以上のものに変わり・・・。
ジャックはね、同性愛者なんです(と言っても、女性とも恋愛できるのですが)。
かたやイニスはというと、同性愛者ではなかったのですが、ジャックを愛してしまいます。
季節労働者なんで、仕事が終われば、それぞれの土地に帰ることになります。
ジャックはイニスと今後も関係を持ちたいと願います。ですが、イニスはそれを拒否します。というのも、この時代は同性愛者に対する偏見や差別がひどかったからです。ジャックとのことはこのときだけのことにして、山を降りたからには、元の普通の生活にリセットしなくてはいけない、イニスはそう考えて、ジャックと別れたのです。
ですが、
残念そうに自分の町へと帰っていくジャックを見送ったあと、イニスは地面に膝をつき慟哭し、号泣するのです。このシーンはとても哀切でした(TдT)
ふたりはそれぞれの町で、それぞれ異性の相手と結婚をします。イニスにいたっては、ふたりの子供ももうけます。
ふたりが出会ってから4年が経ったある日、イニスのもとをジャックが訪れます。
ジャックの車の音を聞きつけると、急いで家から飛び出すイニス。ジャックが車から降りるなり、ふたりは衝動のままに抱き合い、そして物陰で・・・
激しいキスを交わします。
物陰・・・だったのですが、イニスの妻はそれを目撃してしまいます(目撃したことは夫には告げませんでしたが)。
ジャックはおたがいの家庭は捨てて、ふたりでいっしょに暮らすことをイニスに提案します。でも、イニスはそれを拒否します。山を降りたときと同様に。
幼少期にイニスは、同性愛者がリンチで殺された事件をトラウマとして記憶していて、そのトラウマから逃れられることができなかったのです。
いっしょに暮せない代わりに、年に数回、ふたりは釣りの名目でキャンプに出かけます。
イニスの妻は《あれ》を目撃していますから、夫がジャックと釣りに行くのではないことを知っています。実際、一度も魚を持って帰ってくることはありませんでした。
ジャックとのことがきっかけで、イニスは離婚します。ジャックは、ついにいっしょに暮せる♪、と期待するのですが、またもやイニスは首を横に振るばかり・・・。
年に数回会うだけのふたりの関係は20年近くに及びます。年に数回会うだけでは気持ちがおさまらないジャックはその苛立ちをイニスにぶつけ、殴り合いになってしまいますヽ(#゚Д゚)ノ
さて、ふたりの愛の行く末はどうなるのでしょう・・・。
いつもならここで、
《このあとは、ぜひ映画をご覧になってください》
で『サクシネマ』をしめくくるのですが、
今回はネタバレまで書いてしまいたいと思いますので、このあとはネタバレしてもかまわない人だけ読み進んでください(ネタバレしても、この映画の価値は下がりませんけどね)。
喧嘩別れしたあとは、いつものようなジャックからの誘いの葉書はなく、翌年にイニスはジャックに葉書を出します。すると、葉書に『死亡』というスタンプが捺されて戻ってきました。
イニスはいてもたってもいられずにジャックの実家を訪ねます。ジャックの両親はイニスのことをジャックから聞き知っていました。イニスが息子の《特別》な友人だったことも察していたのです。
「息子は道ばたで車のパンクを修理しているときに、部品が破裂して顔面に当たり、血だらけになって死んでしまった」
ジャックの父親のその言葉を聞いているときにも、イニスの脳裏には同性愛差別者にリンチされているジャックの映像が浮かんでいました。見たわけではないのに、実際に見た映像のようにはっきりと。
「あの子の部屋は、そのままにしてあるの。良かったらご覧になって」
ジャックの母親がイニスにそう言ってくれたので、イニスはジャックの部屋にひとりで入りました。そしてクローゼットで《ある物》を見つけました。
それは・・・
ジャックが山で着ていたデニムシャツでした。そのデニムシャツを手に取ったイニスは、思わず涙を流します。
懐かしいジャックのシャツを見たからではありません。ジャックのシャツの下に、イニスが山で着ていてなぜか紛失してしまったシャツが重ねてあったからです。まるで、ジャックがイニスを抱きしめているかのように・・・。
自分のシャツに重ねられた
ジャックのシャツを抱きしめ、嗚咽するイニス。
その2枚のシャツを持ってジャックの部屋を出ると、何もかもを察した様子のジャックの両親が、イニスにそっと紙袋を差し出しました。シャツをその紙袋に入れて、家を去るイニス。
イニスはその後、ひとり暮らしをつづけていました。
ですが、イニスはひとりではありませんでした。部屋にはジャックの家から持ち帰ったシャツがあり、彼のシャツと重なり合っていたからです。そうずっと、抱き合ったままで・・・。
ジャックの家にあったときとは逆に、
ジャックを抱きしめるように
イニスのシャツが上になって掛けられています。
そして、ブロークバック・マウンテンの写真が・・・。
このあとは、劇中で使われていた簡単な英語をいっしょに勉強したいと思います。
【get you】
イニスの妻がジャックと夫との仲にがまんならず、とうとう爆発したときにこう言います。
"I don't get you some more!"(あなたがまったくわからないわ!)
《get you》は、あなたをゲットするですから、《捕まえる》という意味の他に、《わかる(理解する)》という意味もあります。
ですので、道などを教えてもらったときには、
"I got you."(わかりました)
と言うことができます。
【You bet】
山から下りて4年後にジャックから《久しぶりに会わないか?》という葉書が届き、それの返信としてイニスはこう記します。
《You bet.》(いいとも)
《bet》は《賭ける》ですが、《You bet》で《Yes》や《どういたしまして》という意味も持ちます。
ですので、ジャックからの誘いにOKということで《You bet.》とイニスは書いたわけです。
また「○○のことありがとう」と言われたときの《You bet.》は、《どういたしまして》というニュアンスになります。
【decease】
イニスがジャックに送った葉書に《死亡》というスタンプが捺されて戻ってきたとき、その《死亡》という英単語が《Decease》でした。
《Decease》は《死》を意味する法的な用語で、日本語で言うことの《死亡》や《死去》のニュアンスになります。
ちなみに、
《死んだ》は《dead》ですが、知り合いが死んだときには、《死んだ》とは言わず、《亡くなった》とか《他界した》とかいう言い回しを使いますよね。それは英語では《passed away》と言います。
ああ・・・
ブロークバック・マウンテンかぁ。ぼくもアメリカ西部の・・・
この山がなつかしいなぁ・・・。
「いや、アンタ、これってビッグサンダー・マウンテンだよね。そこ、アメリカ西部じゃなくて、千葉県西部の浦安ですから~ヽ(#`Д´#)ノ」(←アナタからのすかさずなツッコミ)