ちょっと小さめオムライス ― 2021年04月21日 14:51
本日の日替わり料理は・・・
ちょっと小さめオムライス 550円
ピリ辛やみつきにんにくえのき 180円
そして、今回の『サクシネマ』は・・・
これは2004年にスマトラ島沖地震で被災した家族の、奇跡の実話です。
『インポッシブル』(2012年)
2004年のクルスマス休暇に、ヘンリー(ユアン・マクレガー)とマリア(ナオミ・ワッツ)夫妻は息子3人といっしょにタイのビーチリゾートのカオラックにやって来ました。
カオラックのきれいな海。
「海が見えて最高だろ♪」
12月26日のことです。ビーチサイドのホテルのプールで家族で遊んでいると、地鳴りとともに、鳥や動物が騒ぎ出す異様な雰囲気が漂い・・・
突然大津波が!ヽ(#゚Д゚)ノ
次男三男を抱えて逃げるヘンリー。
もちろん津波から逃げきれるわけもなく・・・(>_<)
マリアと長男は
なんとか生き延びましたが・・・
マリアはひどいケガを負ってしまいました
長男が母に手を貸して避難します。
ふたりはヘンリーと残る弟たちを探しますが、マリアのケガが重傷で歩くのもままならず、記憶も遠のいてしまうような状態で・・・。
なんとか病院に行きついたものの、患者の数が多すぎて、手術どころか、治療も満足にできないようなありさまです。
マリアは医者で、このままでは自分の足が壊死してしまうことを恐れていましたが、患者が多く、医師の数も足りないうえ、高度な医療技術もないこの国の病院では、残念ながら安心できる治療が受けられないことを熟知していました。
それでも、心配して自分のそばを離れない長男に、息も絶え絶えにこう言うのでした。
「何か人の役に立てることをしなさい」
長男が母のベッドのそばを離れると、動けないでいる重症のケガ人たちが、「〇×を探してくれないか?」と幾人からも頼まれました。
長男は頼まれた人の名前を叫びながら、
院内を歩き回ります。
母が重傷で、自分の父と弟たちの生死もわからないなか、長男は他の人のために叫び続け、そのかいあって、一組の親子が再会を果たせました。
そんなとき、
かろうじて無事だった
ヘンリーと次男三男は、
マリアと長男の安否を心配していました。次なる津波の襲来に備え、山の上の方へと移送するトラックに、ヘンリーは次男三男だけを乗せ、自分はマリアと長男を探すことにします。
で、長男はというと、母のいたベッド戻ってみると、そこに母の姿はなく・・・。
マリア、長男、ヘンリー、次男三男は、それぞれ分散してしまい、家族の再会は難しいと思われたのですが、
感動的なことがいろいろあって、
ヘンリー、長男、次男三男が、
奇跡的にも同じ場所で遭遇したとき、
もうね、涙が止まりませんでした(ノдヽ)
そして長男が父に、母の無事を伝えます。
「ママも無事なんだ。でも、ひどいケガをしていて・・・」
ヘンリーがマリアと再会すると、ひと目でマリアの状態が危険なことがわかりました。
マリアは足の手術を受け、ひとまず命の危機は脱しましたが、まだ予断を許さない状況だったのですが、そこに一家が加入していた保険会社の担当者が現れ、
「シンガポールで一番の病院へお連れします。飛行機もチャーター機を用意してありますので、もうご安心ください」
そして、家族はチャーター機の機内で、ようやく安堵の表情を見せるのです(*´ー`)
マリアは長男と避難中も、家族とはぐれた見知らぬ子供を助けたり、前述したように、長男も他人の家族を探したりという善行をしましたし、ヘンリーも最後まであきらめることなく、必死で家族を探したからこそ、こういう奇跡が起こったのだと思います。
苦しいときこそ、自分たちだけが・・・ではなく、できうる範囲で周囲にも気を配るのが大事だと思わされましたし、実際、この家族も他の人たちが力を貸してくれたおかげで、心が折れずにいられたのです。
ただ、ひとつだけ気にかかったことがあるのです。
それは保険会社の男が、ヘンリーにこう名乗るシーンです。
「チューリッヒ保険の者です」と。
実際にチューリッヒ保険の人が現れたのでしょうけど、例えばドラマで家族の食事中のシーンの際に、
「お母さん、ちょっとキッコー〇ン醤油取って」
と言ったような、なんか違和感を覚えたのです。感動的な実話で涙しているときに、急にお金の匂いがして冷めてしまったのです。
そして、こう思いました。
この家族はリッチで、海外旅行保険のかなり高ランクの特約をつけていたからこそ、こういう厚遇を受けられ、心と体の安心を得られたけれど、リッチでない一般の人や、それ以下の人は、助かったかもしれない命も残念なことになったという悲しい現実があったんだろうな、と。
理想と現実の違い・・・。
感動的な奇跡の最後に、すべてにおいて人間は平等ではないという厳然たる事実を突きつけられた気がしました。富める者も貧しい者も命の重さは同じはずなのに、人間社会という天秤は、明らかに片方に傾いてしまうのです。
そういう意味でも、本当にいろいろ考えさせられる映画でした。日本人はどうしても3.11のあの津波映像とシンクロしてしまうことでしょう。恐ろしい映像ですが、忘れずに教訓にしなければなりません。人間は不平等を生み出すという《負》もありますが、教訓から学び次に活かすという《正》を生み出せる、唯一の動物だからです。
痛々しく、グロテスクなシーンもありますが、ぜひご覧になってください。そして、海外旅行に行く際には、特約付きの保険に加入しておくことをご検討ください。
といっても、海外旅行なんて、アフターコロナのときの話ですけどね。