大根ステーキ2021年01月14日 12:10


    ※酒類の提供はPM7時までです。



本日の日替わり料理は・・・


     大根ステーキ 230円


    れんこんのきんぴら 200円


緊急事態宣言発令中のため、PM4時半~PM8時(最終入店はPM7時)までの、わずかな営業時間ではありますが、良ければご来店ください。



ここからは『サクシネマ』です。

この映画は、戦争そのものを描かないことで、よけいに戦争のむなしさが伝わる作品です。


『TAKING CHANCE/戦場のおくりびと』(2009年)


TAKING CHANCE》とは、戦死したチャンス一等兵の遺体を実家へと移送することなのです。

で、そのタイトルの下に《BASED ON A TRUE STORY》とあるように、これは実話を基にした映画であります。

で、あらすじはというと・・・

2004年。将校であるマイケル(ケヴィン・ベーコン)は内勤を志願して認められ、いまは戦死者数から算定して増援兵の数を算出するという、いわゆるデスクワークの軍人です。

そんなマイケルが最新の戦死者データに目を通していると、自分と同じ州の出身の、チャンス・フェルプス一等兵(19歳)を見つけます。

そのチャンス一等兵のことをマイケルは何も知りませんでした。ただ同郷というだけなのです。ですが、思うところがあって、故チャンス一等兵の遺体を故郷へ移送する任務を自ら志願します。

ここからは、戦地で亡くなった兵士は、いかにして本国に、そして故郷へ移送されるのかというドキュメント映像のような様相になります。

無残たる遺体でも、敬意を払いながら清め、持ち物すべてを(付着した血や汚れを)浄化し、そしてその遺体が遺族に見せられない状態だとしても、勲章付きの軍服を着せ・・・といったふうに。


遺体は空軍基地 → 空港 → 機内 →  空港 → 車で実家へとなりますが、その移送の際に棺も丁重たる様相ですし、付添人のマイケルも軍服姿の正装です。


  機内から車への移動の際に、
    マイケルは敬礼でそれを見守ります。


戦死者を移送中だと気づいた民間人は、棺はそばにはありませんので、マイケルにその弔意と敬意を最大限に払います。

車での移送の際には、あまりスピードを出せませんので、後続車は移送車を追い抜くのですが、その際にもロウソクに火を灯すがごとく、ヘッドライトを点けて戦死者へ追悼の意を示して追い抜きます。すべての車がです。つまり、日本と違ってアメリカではこういうことは滅多にないことではないのでしょう。それが戦争に国民を送り出している国と、そうでない国との違いなのかもしれません。


    マイケルは葬儀に参列し・・・


        敬礼で死者を見送ります。


印象的だったのは、マイケルが一度も面識のないチャンスの不幸を思っては泣き、自身は志願して安全な内勤をしていることを恥じるシーンです。

ですが、任務を遂行して自宅に戻って妻や子供に笑顔で迎えられると、そのささやかだけれども他の何物にも代えがたいしあわせに安堵しもします。そこにリアリティーを感じました。


戦争は(といってもぼくにはわかりもしないのですが)、理屈でわりきれるものではないのでしょう。どんな大義名分があろうと、殺し合いであることに変わりはなく、死んだ者はもちろん、生きて帰った者も、多くを失ってしまうのです。


静かな静かな映画で、大きな起承転結もないのですが、でもいっこうに飽きることなく見入ってしまいました。

戦死者を実家に移送することもたしかに戦争の一部であることを、いまさらながら知りました。

一見の価値ある映画です。良かったらご覧ください。